お知らせ2件:「プロジェクトコントロールズフォーラム」講演発表(7/09 ハイブリッド)と、「生産統制セミナー」(7/08 オンライン)
1.「第2回プロジェクトコントロールズフォーラム」で『プロジェクトのシミュレーションは可能か』という講演発表をします
お知らせです。今年から始まった「プロジェクトコントロールズフォーラム」という集まりがあります。これは、以前からの知人で(株)システック・インターナショナル日本法人を率いている、大野伸吾さんが主宰される組織で、日本国内におけるプロジェクト・コントロールのプロ達が集まって研究講演・情報交換する場です。
そもそも「プロジェクト・コントロールのプロ、って何?」という方に、念のためご説明します。プロジェクト・マネジメントの仕事には、スコープ・コスト・スケジュールなどの計数管理的な側面と、目標設定やチーム組織のモチベーション維持やステークホルダのエンゲージメントなど、人文知系のソフトな側面があります。良いプロマネは両方にたけている訳です。
ただしプロジェクトがそれなりに大規模化してくると、計数管理のハードな側面の業務量が増えてきます。とくに受注型プロジェクトをビジネスの生業としているエンジ会社・ゼネコン・SIerなどは、プロジェクト採算が経営上最重要な指標ですから、この部分をおろそかにする訳にはいきません。ただプロマネの業務は多忙ですので、一人で全てをこなすことは難しくなります。
そこで、コストやスケジュールなどのベースライン計画を策定して、実行段階で進捗・費用をモニタリングし、さらに解離が生じたらプロマネに報告し一緒に対策を考える、いわば「参謀役」が専門分化してきます。この職を、「プロジェクト・コントロール・マネージャー」(Project Control Manager: 略称PCM)と呼びます。ちなみに日本ではマネジメントもコントロールも『管理』と訳してしまうのが通例ですが、これを当てはめると、プロマネは「プロジェクト管理者」、そしてPCMは「プロジェクト管理管理者」になってしまいます(笑)。日本の「管理」概念の限界が、ここからもお分かりいただけると思います。
そして何を隠そう、わたし自身も、日揮で何年にもわたり、この参謀役=プロジェクト・コントロール専門職をしてきたのです。その課程で、プロジェクトの先行きを予測するにはどのような手法があるのか、どんなモデルが適切かを、ずっと考え続けてきました。その一部は、2010年に東大に提出した学位論文「リスク確率に基づくプロジェクト・マネジメントの研究」にまとめましたが、その後も(経営企画部門に移ったので時間は限られましたが)折に触れて研究してきました。
今回は、久しぶりにプロジェクトのハードな(科学的・客観的な)側面についてお話しする機会をいただいたので、自分なりの考えを少し整理してみたいと思っています。プロジェクトのリスクとは何か、プロジェクトは安定なのか不安定な存在なのか、そして、なぜプロジェクトは時として崩壊するのか——こうした観点からの検討は、まだモダンPMの分野でも十分とは言えません。プロジェクト・リスク問題やコントロール手法に関心のある方の、ご来聴をお待ちしております。
<記>
■ 日時:2026年7月9日(木)14:30~17:40
■ 会場:京都大学 東京オフィス(東京駅 新丸ビル10階)
【プログラム(予定)】
■ 講演I 「プロジェクトのシミュレーションは可能か」
株式会社マネジメント・テクノロジー 代表取締役 佐藤知一
■ 講演II 「事例紹介 リスクシミュレーション」 システックインターナショナル 大野紳吾氏
対面参加者によるグループディスカッションおよび全体ディスカッションも予定しております。
■ 開催形式:対面開催(定員50名) + オンライン配信(定員450名)
■ 参加費
<第1部> 対面参加:800円/人、オンライン参加:500円/人
<第2部 懇親会> 6,000円/人
■ 申込期限:2026年6月30日(火)
※定員に達し次第、締切とさせていただく場合がございます。
■ 申込先:(6/01よりPeatixで一般申込開始)
なお講師として若干名の優先招待枠を持っております。小職までご連絡いただければ、割り当て可能です。
2.「生産統制セミナー」(大阪府工業協会)を開催します
こちらは毎年のご案内ですが、今年も生産管理の入門的な講座を、大阪府工業協会さんよりお届けします。オンライン開催ですので、全国どこからでも受講可能です(有償です)。
世界的なサプライチェーンの混乱・途絶により、ますます原材料の納期もコストも増大する方向にあります。従来は、月次の生産計画を立てたら、概ねその通り進み、わがままな一部顧客の需要変動だけが計画の攪乱要因でした(それでも対応は楽ではありませんが)。ところが今や、需要側と調達側と、両側からの突発的変動にさらされるようになったのです。
かくて、生産管理=生産計画+生産統制、という車の両輪をどうかみ合わせていくのかが、これまでになく重要になりました。にもかかわらず、不思議なことに生産管理の基本的な考え方、たとえば在庫とリードタイムの関係、原料や中間製品の在庫ポイントの置き方、生産計画と製造指図確定のタイミング、などについて、あまり体系だった解説が見当たりにくい状態です。
工場を「生産のための仕組み」ととらえ、その基本的な性質や、トリレンマ(「三すくみ」的制約)などについて、初歩から解説します。また、皆さんがこうした要点を、上層部に説明できるようになり、きちんと理解してもらう必要があります(残念ながら製造現場の経験知を持たない方が、上の役職につかれるケースも多いのが、今の日本の製造業の現実です)。ただ、ここが分からないと、どんな高度なERPや生産管理システムを導入しようと、「魂を入れる」使い方ができません。
生産管理の実務に携わる方のみならず、生産系のDXプロジェクトに携わろうとする方にも、基本的コンセプトを理解整理するために、受講をおすすめします。
<記>
日時: 2026年7月8日(水) 9:45~16:45
テーマ: 「納期遅れを起こさない 生産統制のポイント」
主催: 公益財団法人 大阪府工業協会
会場: Zoom
セミナー詳細・申込み: 下記Webサイトをご参照ください
https://www.opmia.jp/seminar/5761/