お知らせ:生産統制セミナー(1/28)と、MES関連インタビュー記事公開
お知らせが2点あります。
1点目はリアル参加型の1日研修セミナーで、来る1月28日(木)に大阪で開催します。テーマ名は「生産統制」ですが、計画(Planning)と統制(Control)は車の両輪ですので、前半は生産計画についてきちんと学ぶ構成としています。そして全体を通しては、「納期遅れを防ぐ」がテーマです。コストダウンでも品質でもなく、スケジュールに焦点を当てる。これが特徴です。
この大阪府工業協会さんの生産統制セミナーは10年ほど前にお引き受けし、年1〜2回程度のペースで開催してきました。主な受講対象の方は、協会会員企業である関西圏の製造業、どちらかといえば中堅中小メーカーの実務クラスの方が中心です。こうした企業は、大手セットメーカー(OEM)からの受注生産形態が中心で、しかも品種数も多いため、納期問題に悩むのが常です。
『生産管理』(Production Management)と呼ばれる仕事の範囲は企業によって様々ですが、わたしはその主要なタスクを、下の図のように整理しています。仕事は大きく計画(Planning)と統制(Control)に分かれます。
計画は、(1)製品単位の基準計画、(2)部品・工程展開、(3)生産スケジューリング、(4)指示発行(ディスパッチング)の順に進みます。
他方、統制は4種類のタスクを並列にならべています。(5)工場パフォーマンスの測定(QCDや在庫・リードタイム等)、(6)計画と現実の乖離調整、(7)製造資源のモニタリング、(8)個別作業・モノ・情報のトラッキングと優先づけ、の4つで、これらは並行して進めねばなりません。このような整理の仕方は伝統的な生産管理の教科書とは違いますが、今日の工場で求められている業務内容や主要課題に沿っているつもりです。
このように生産マネジメントは幅広い業務であるにもかかわらず、多くの企業ではここに、スキルのある人財を十分に配置しているとは言えない状況にあります。仕事は多いのに人手不足なのです。そこで本セミナーでは、上記の中から(3)生産スケジューリングと(6)計画と現実の乖離調整に焦点を当てて、納期遅れ問題に取り組む基本を学びます。
具体的には、部品材料の在庫量の計算法(在庫理論)からはじめて、リードタイムの概念と求め方(生産スケジューリング)、カップリング・ポイントを用いたリードタイムの短縮(マテリアル・マネジメント)、ボトルネック中心の生産統制(ただ一つの管制塔を持つ)などをご説明します。
納期問題が主題なのに、在庫理論からはじめるのは奇妙に感じられるかもしれません。一つには、在庫とリードタイムが表裏一体の関係にあるからです。が、それよりもまず、「マネジメントにはちゃんと理論も計算式もあるのだ」という事を実感していただくために、こうした構成にしています。なぜなら多くの企業では『生産管理』を、労務管理か何かの延長、いいかえるとルールと号令の仕事(=文系の業務)、だと思い込んでいるらしいからです。これでは科学的マネジメントの方法論を展開してきた欧米企業や、それに学んでいる中国企業などに勝てる訳はありません。
本セミナーは1日がかりでリアル参加型です(有償)。オンライン配信型よりはハードルが高く、関西圏の方が主になるとは思いますが、その代わり実際にクラスルームで議論し手を動かしていただくことによって、より理解度が深まると思います。直前のお知らせになってしまいましたが、大勢の方のご参加をお待ちしております。
<記>
日時: 2026年1月28日(水) 9:45~16:45
テーマ: 「納期遅れを起こさない 生産統制のポイント」
主催: 公益財団法人 大阪府工業協会
会場: 大阪府工業協会 研修室
セミナー詳細・申込み: 下記Webサイトをご参照ください
もう一点、お知らせです。
上図で、下側に赤い点線で囲んだ領域は、しばしば『製造管理』ないし『工程管理』と呼ばれます。そしてMES(製造実行システム)は主に、この領域をカバーする仕組みとして、近年急速に注目を集めています。
今なぜ、MESが注目されるようになってきたのか、また、MESの構想づくりやベンダー選びの障害となっているものが何で、いかにそれを乗りこえるべきかについて、WebメディアであるMONOistにインタビュー記事が掲載されました。
本記事はアビームコンサルティングの阿部洋平氏との共同インタビューで、前半は主にわたしが話し、後半は阿部さんが説明されています。阿部さんは、わたしが主幹事を務める(財)エンジニアリング協会「次世代スマート工場」研究会で、『MES/MOM導入のための標準業務一覧』 策定プロジェクトのプロマネでもあります。こちらもぜひ、あわせてご覧下さい。
ちなみに、このMES標準策定プロジェクトチームが中心になり、現在、MESに関する総合的な解説書を作る構想が進んでいます。タイトルは仮称『新・MES入門』。もちろんこれは、2000年に発刊されて今は入手困難となっている「MES入門」(中村実・正田耕一編、わたし自身は第3章を執筆)の、いわば後継書をねらったものです。もし実現できれば、夏過ぎには発刊になる見込みです。こちらもぜひ、ご期待下さい。
