タスク
課業
Task

「革新的生産スケジューリング入門」第1章講義3.2

生産スケジューリングにおいて、「なすべき作業」を指す。作業が実際の行為そのものを意味するのに対して、タスクは計画・指示段階の概念である。課業という日本語訳がいちおう存在するが、ほとんど使われていない。これから見ても、日本でいかに計画系の概念が薄弱であるかがわかる。

ある組織が他の部門・組織から生産オーダー購買オーダーなどのオーダー(指示・指図情報)を受け取ったとき、それをタスクとして認識する。むろん、自分自身で課題を設定して、主体的にタスクを作りだすこともあろう。

タスクに対しては、必要に応じてリソースを割り当て、指定された期限をみたすようなタイムテーブルをつくった上で、実行にとりかかる。そしてこれを遂行して、オーダーに示された成果物をアウトプットし、それが検収されることで、タスクは完了となる。これがタスクの生成から完了までのサイクルである。

タスクのインプットとアウトプットとなりうる事柄は、次の3種類である:
(1)マテリアル
(2)リソース(人的資源と物的資源に分けられる)
(3)情報

このように整理することによって、何がわかるか? じつは、これらの組合せによって、さまざまなタスクの種類を表現することができるのである。たとえば、部品というマテリアルをインプットとし、労働力と・機械設備のリソースを占有して、製品というマテリアルをアウトプットとするタスクは、『製造』作業である。

また、仕様情報をインプットとし、知的労働力を占有して、設計図面という情報をアウトプットする作業は、『設計』作業である。同じようにして、『調達』作業や『保管』サービスなど、生産に関わるあらゆるタスクの種類を、統一して表現することができる。

なお、タスクのインプット・アウトプットには、お金は含まれない。一見奇妙に感じられるかもしれないが、お金のやりとり(価値の移転)はオーダーの方に付随するものなのである。タスクはテクニカルな領域に属し、オーダーはコマーシャルな領域に属していると言えよう。

タスクは、必要に応じて、さらに下位のサブタスクに分解し、階層化することができる。この際、サブタスク全体のインプットとアウトプットは、もとの「親タスク」のそれと一致していなければならない。製造作業のタスクを、一連の逐次的サブタスク(作業)に展開して表現したものが工順である。

なお、タスクは、プロジェクト・スケジューリングの世界における、PERTの「アクティビティ」に相当する。両者はほぼ同義であるが、場合によっては、アクティビティをより期間の長い上位概念にとり、タスクを日々のやるべき細かな作業(デイリー・タスク)ととらえるケースもある。たとえばProject Management Instituteが制定したPMBOK Guideなどでは、そうした用語の使い分けをしているが、生産スケジューリングの世界では同じとは限らないので、注意されたい。